「採用ページは応募を集める場所」と思われがちですが、そこで応募が集まることはほとんどありません。 求職者は求人サイトで会社を見つけ、社名で検索して自社サイトを見ます。そこで応募するかどうかを決める。つまり自社の採用ページは、応募を決める場所です。 この記事では、載せる項目より先に載せない方がいい3項目を挙げます。従業員10人前後の会社が、社員100人の会社の構成をそのまま真似すると不利になる箇所があるからです。

自社の採用ページは、応募を集める場所ではない

役割を先に決めないと、載せる内容が決まりません。

求職者は求人サイトで見つけて、社名で検索してから応募する

流れはだいたい決まっています。求人サイトで条件を見て、気になった会社の名前で検索する。サイトを見て、判断する。検索の入口は指名検索です。

ここで何を見られているかというと、求人サイトには書けなかったことです。職場の雰囲気、誰と働くのか、本当に続いている会社なのか。求人サイトの枠は文字数が決まっていて、体裁も他社と同じなので、そこでは差が出ません。

だから求人サイトの原稿をコピーしても意味がない

よく見る状態がこれです。求人サイトに出した原稿をそのまま採用ページに貼っている。

求職者は求人サイトで既に読んでいます。 同じものをもう一度読まされて、何も分からないまま閉じる。ページを作った手間が、そのまま無駄になっています。

採用ページに書くのは、求人サイトに書ききれなかったことだけで足ります。

載せない方がいい3項目

採用ページの解説記事はどれも「数値で見る会社」を推奨します。社員数、平均年齢、離職率、男女比。大手の採用ページには必ず載っています。

従業員10人規模では、この3つを外してください。

離職率 ── 母数が小さいと数字が跳ねる

社員8人の会社で1人が退職すれば、その年の離職率は12.5%です。定年退職でも、家庭の事情でも、数字は同じように出ます。

全国平均と比べて特に悪くない状態でも、二桁の数字は悪く見えます。 そして「なぜ辞めたのか」を書き足すと、今度は言い訳に読まれます。

書かないという判断でいいです。求職者は離職率が書かれていないことを減点しません。書かれた数字が悪いことは減点します。

平均年齢 ── 高くても低くても不利に読まれる

45歳と書けば「若手がいない」、28歳と書けば「教えてくれる人がいない」。どちらにも不利な読み方ができます。

少人数の会社では、1人の入退社で平均が数歳動きます。安定して意味を持つ数字になりません。

代わりに書けることがあります。「今いる社員の年齢は24歳から58歳まで」のような幅です。幅なら、若手もベテランもいることが伝わります。

職種別の社員インタビュー ── 同じ人が何度も出る

大手の採用ページは、職種別・年次別に何人もインタビューを載せます。10人の会社でそれをやると、同じ人が営業と製造の両方に登場します。

そうなると、伝わるのは「人がいない」という印象です。

1人でいいので、深く載せてください。 入社の経緯、最初につまずいたこと、今任されている範囲、辞めようと思ったことがあるか。1人分を2,000字書いた方が、5人分を300字ずつ並べるより読まれます。

代わりに載せる6項目

削った分を、中小企業が書けて大手が書けないもので埋めます。

給与は、レンジではなく実例の並び

「月給20万円〜35万円」では何も伝わりません。自社の実例を段階で並べてください。

浜松のスリーカウントは自社の採用ページで、未経験入社の場合を「1年目320万円 → 3年目460万円 → 5年目570万円」と公開し、年間休日125日以上、月平均残業13.16時間まで実数で出しています。ここは素直に真似する価値があります。

ぼかした表現を1つでも入れると、他の数字も疑われます。「給与応相談」は書かない方がましです。

1日の流れを時刻つきで

8時出社、8時10分朝礼、8時30分から加工、12時昼食。この粒度で書いてください。

求職者が知りたいのは、朝が早いか、残業があるか、昼をどこで食べるか、といった生活の話です。「やりがいのある仕事です」より、時刻の並びの方が判断材料になります。

誰と働くか(社長との距離は事実として書ける)

10人の会社なら、社長と毎日話します。これは大手が書けない事実です。

良いことばかりではありません。合わなければ逃げ場がないのも事実です。社長の顔写真と、何を考えているかを書いておく方が、入ってから揉めません。

通勤と駐車場

滋賀では車通勤が前提です。駐車場があるか、無料か、何台分あるか。 これは条件として大きく、給与の次に見られます。

近隣のどこから通っている社員がいるか(東近江から30分、草津から40分など)も書いてください。通えるかどうかが具体的に分かります。ここに触れている採用ページの解説記事を、私はほとんど見たことがありません。

応募前に見学できるか

「見学歓迎」と1行書くだけで、応募のハードルが下がります。受け入れる側の負担は1時間程度です。

書くなら、誰に連絡すればいいか、所要時間、服装まで書いてください。書かないと、聞くのが面倒で応募をやめる人がいます。

入社後3か月で何を任されるか

大手は3か月は研修です。中小企業は現場に入ります。それを隠さず書いてください。

「早く任される」は、人によっては魅力で、人によっては不安です。どちらの人にも正確に伝わる方が、入社後の離職が減ります。

写真は1枚だけ本気で撮る

採用ページの解説記事は「現場の写真を載せる」と書きますが、何枚どこを撮るかまでは書きません。

1枚で足ります。作業している社員の手元か、現場の全景。 ここだけ撮影を頼んでください。残りは社内のスマートフォンで撮ったものでかまいません。

避けるのは、フリー素材のオフィス写真です。一目で分かりますし、実際の職場を見せられない会社だと読まれます。 撮影は別途費用(当社の場合、料金表で別途としています)になるので、優先順位を決めてから頼んでください。

作る手順と、かかる費用の考え方

  1. 直近で辞退された応募者の理由を、思い出せる分だけ書き出す
  2. 求人サイトに出している原稿を印刷し、そこに書いていないことを洗い出す
  3. 載せない3項目を確認し、代わりの6項目を埋める
  4. 社員1人にインタビューする(30分でいい。録音して後で整える)
  5. 写真を1枚だけ撮る
  6. 1ページにまとめる

4番は面倒です。就業時間内に30分もらう調整が要りますし、話を聞いた後に文章にする作業もあります。ただ、ここが採用ページの中心なので、外注しても自社の誰かが立ち会う必要があります。

当社では採用ページの追加を1ページ 30,000円〜(料金ページに記載)としています。既にサイトがあれば1枚足すだけで、全面の作り直しは要りません。

ページでは埋まらないこと

はっきり書きます。給与が地域の水準を下回っている場合、ページの書き方では埋まりません。

見せ方を工夫して応募が来ても、条件を見た時点で辞退されます。この場合に効くのは求人原稿ではなく条件の見直しで、それは採用ページの話ではありません。

もう1つ。採用ページを作っても、求人サイトをやめられるわけではありません。 入口は求人サイトのままです。採用ページが効くのは、見つけてもらった後の段階です。両方に費用がかかると考えてください。

まとめ

直近で辞退された応募者を1人思い出して、何が理由だったかを書いてください。その理由が、採用ページに書くべきことです。条件そのものが理由なら、ページを作る前にやることがあります。

当社では、今のサイトと求人原稿を見ながら、何が書かれていないかを確認しています。会社名とサイトのURLをお知らせください。

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この記事を書いた人

しがビズ(株式会社トリプルエッグ)

滋賀県の中小企業向けに、会社サイトの作り直しと、生成AIの業務導入を行っています。採用に使えないサイトの直し方はWebサイト再生のページにも書いています。

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