今年に入って、会社サイトのフォームからの問い合わせが減った気がする。景気のせいか、季節のせいか。会社サイトはWordPressで、5年前に制作会社が作ったもの。フォームの右下には、小さな青いマークが出ている。 この記事は、問い合わせが減ったと感じたときに、需要より先に、フォームそのものが動いているかを確かめるためのものです。特に、フォームに迷惑メール対策として入っていることが多いGoogleのreCAPTCHAが、2026年に仕組みを変えた件を扱います。 先に結論を書きます。自社のフォームから、自分宛てに1通送ってみてください。 届けば、この記事の大半は読まなくてかまいません。届かなければ、制作会社に聞くことが3つあります。

フォームは、送れたように見えて届かないことがある

問い合わせフォームの困ったところは、壊れても誰も気づかないことです。送った人の画面には「送信しました」と出る。会社には何も届かない。送った人は、返事が来ない会社だと思って、別の会社に問い合わせます。

当社でも、2026年10月に問い合わせの管理の仕組みを見直したとき、自社サイトのフォームで、送信は成功しているのに一部の項目が届いていなかったことに気づきました。名前とメールアドレスは届くのに、電話番号と相談の中身が届かない、という状態でした。原因はreCAPTCHAではなく、フォームを受け取る側の設定です。それでも、送った人の画面には「送信しました」と出ていました。フォームは、黙って壊れます。

件数が少ない会社ほど、気づくのが遅れます。月に5件来ていたのが3件になっても、たまたまかもしれない、と思うからです。

reCAPTCHAで2026年に変わったこと

reCAPTCHAは、フォームを送ったのが人かプログラムかを見分けて、迷惑な送信を止めるGoogleの仕組みです。WordPressのサイトでは、Contact Form 7という問い合わせフォームの部品と組み合わせて使われていることがよくあります。フォームの右下に出る、青と灰色の矢印のマークがそれです。

Googleは、このreCAPTCHAを、Google Cloudという法人向けのサービスの中に移しました。Googleの公式の文書(2026年10月23日更新)によると、流れは次のとおりです。

時期起きたこと
2024年7〜9月古い方式(Classic)の新しいキーが作れなくなった
2025年10〜12月移行していないキーの自動移行が始まった
2026年1〜3月自動移行が終わり、Google Cloudのプロジェクトに入っていないキーは使えなくなった

もう1つ変わったのが、無料で使える回数です。移行後は、月10,000回まで無料で、それを超えると支払いの設定が要ります。支払いを設定していない場合、超えた分の扱いは仕組みによって違い、送信を通してしまう方式と、エラーを返す方式があります。

会社サイトの問い合わせフォームで、月に10,000回を超えることはまずありません。ただ、プログラムによる迷惑な送信が大量に来ると、それも回数に数えられます。

自動で移行されたなら大丈夫、とは言い切れません。 キーが入っているGoogleアカウントが、退職した担当者や、取引をやめた制作会社のものだと、移行の通知もそのアカウントに届いています。Contact Form 7の開発者も、フォームの部品を新しい版に更新する前に、キーの移行を済ませるよう呼びかけていました。

技術者でなくてもできる3つの確認

サイトの中身が分からなくても、次の3つは総務の担当者が確かめられます。

1. 自分宛てにテスト送信する

会社サイトのフォームに、自分の名前と会社のメールアドレスを入れて送ります。本文は「フォームのテスト送信です」で十分です。

確かめるのは2つです。

  • フォームの通知を受け取る人(代表アドレスや担当者)に、届いたか
  • 送った自分に、自動返信のメールが届いたか(自動返信を設定している場合)

全部の項目が届いているかも見てください。 名前は届いたのに本文が空、ということがあります。

2. フォームの右下のマークを見る

reCAPTCHAのマークの近くに、英語で「reCAPTCHA is changing its terms of service. Take action」のような案内が出ていたら、移行が済んでいない古いキーのままだという合図です。競合の製品を作るProsopo社の解説でも、この表示が移行していないサイトの目印として挙げられています。

マークが出ていないフォームもあります。その場合は、テスト送信の結果だけで判断します。

3. 迷惑メールのフォルダを見る

フォームの通知のメールが、会社のメールの迷惑メールのフォルダに入っていることがあります。テスト送信が届かなかったら、受信箱だけでなく迷惑メールのフォルダも探してください。そこにあれば、reCAPTCHAではなく、メールの設定の問題です。

制作会社に聞くこと

テスト送信が届かなかったり、マークに警告が出ていたりしたら、制作会社(またはサイトを管理している人)に、次の3つを聞きます。

件名:問い合わせフォームのreCAPTCHAについての確認

本文:

お世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。

当社サイトの問い合わせフォームについて、次の3点を確認させてください。

  1. reCAPTCHAは、Google Cloudへの移行が済んでいますか
  2. reCAPTCHAのキーは、どなたのGoogleアカウントで管理されていますか
  3. フォームの部品(Contact Form 7など)は、最新の版に更新されていますか

本日、自分宛てにテスト送信をしたところ、◯◯という状態でした。

よろしくお願いいたします。

2の答えが、退職した社員や、もう付き合いの無い人の名前だったら、それが一番の問題です。サイトにまつわるアカウントの名義の調べ方は社長が代わっても、ドメインとGoogleの権限は先代の名前のまま残るに書きました。

reCAPTCHAの代わりに、CloudflareのTurnstileなど別の仕組みに替える方法もあります。替えるかどうかは、制作会社と相談して決めてください。どちらを選ぶにしても、キーを会社のアカウントで持つことが先です。

テスト送信を毎月の仕事にする

一度直しても、フォームはまた壊れます。サーバーの更新、フォームの部品の更新、メールの設定の変更。どれもきっかけになります。

だから、テスト送信を月に1回の決まった仕事にします。月初の朝、総務の担当者が1通送る。届いたかどうかを、問い合わせの件数の記録と同じ表に1行書く。5分で終わる作業です。 届かなかった月が分かれば、件数が減った理由を景気のせいにせずに済みます。

問い合わせの件数を数える表の作り方はホームページから何件来ているか、自社で数えられるようにするに、返事までの時間の測り方は問い合わせに何時間で返せているか、ツールなしで測る手順にあります。テスト送信の行を、そこに足すだけです。

まとめ

今日やることは1つです。会社サイトのフォームから、自分宛てに「テスト送信です」と1通送ってください。

届いて、全部の項目がそろっていれば、今日の確認は終わりです。届かなければ、上のメールを制作会社に送ってください。

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この記事を書いた人

しがビズ(株式会社トリプルエッグ)

滋賀県の中小企業向けに、会社サイトの作り直しと、生成AIの業務導入を行っています。

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