会社サイトの「お問い合わせ」のボタンを押すと、Googleフォームが開く。数年前に、パソコンに詳しい社員が無料で作ってくれたものだ。その社員が来月で辞める。フォームはこのまま動き続けるのか。 この記事は、その確認のためのものです。Googleフォームで問い合わせを受けること自体は、悪い選択ではありません。ただ、誰のアカウントで作ったかで、辞めた翌日に困るかどうかが決まります。

Googleフォームで受けること自体は、悪くない

先に、弱点を短く整理しておきます。

atsohoの記事(2026年10月更新)は、問い合わせの受付に使うときの弱点を6つ挙げています。1件ごとの対応状況を記録する欄が無い、フォームから個別に返信できない、ファイルを受け取るには送る側がGoogleにログインする必要がある、など。Lステップ公式ブログの記事も、Googleフォームでは問い合わせに返信できない、と書いています。

どれもそのとおりです。ただ、月の問い合わせが数件の会社なら、どれも致命的ではありません。返信はいつものメールソフトからすればいい。記録はスプレッドシートに1列足せば足ります。

問題は、どちらの記事にも書かれていない3つの方です。

フォームの持ち主は、誰のアカウントか

ここがこの記事で一番大事なところです。

Googleフォームは、作った人のGoogleアカウントの持ち物です。会社の問い合わせを受けていても、持ち主は作った社員、ということがあります。

確かめ方は簡単です。

  1. フォームの編集画面を開く
  2. 右上のアイコンで、ログインしているアカウントを確かめる
  3. Googleドライブで、そのフォームの「オーナー」が誰になっているかを見る

結果は、だいたい次の3つのどれかです。

オーナー状態やること
会社のGoogle Workspaceの、共有のアカウント(info@など)問題なしこのまま
会社のGoogle Workspaceの、社員個人のアカウント辞める前に移せる辞める前に、オーナーを会社の別のアカウントに譲る
社員の個人のGmail辞めると会社に残らない会社のアカウントで作り直す

3つ目が厄介です。Googleドライブのヘルプ「ファイルのオーナーを他のユーザーにする」によると、個人のGoogleアカウントから、職場や学校のアカウントへは、オーナー権限を譲れません。 個人のGmailで作ったフォームを、会社のアカウントのものにする手段が無い、ということです。

社員が辞めたあと、その人がアカウントを消せば、フォームも回答も消えます。消さなくても、会社の誰も設定を変えられません。だから、個人のGmailで作られていたら、辞める前に会社のアカウントで作り直し、サイトのリンクを差し替えます。 質問の項目は、元のフォームを見ながら同じものを作れば済みます。

社員が辞めるときにサイトの側で確かめる場所は、社員が辞めるとき、その人のメールアドレスをどうするかに6か所を挙げました。Googleフォームは、その1つ目(問い合わせの通知先)の中でも、特に漏れやすいものです。

通知は、設定した人にしか届かない

2つ目は通知です。

Googleフォームで新しい回答が来たときのメールは、自動では届きません。Googleのヘルプ「フォームの回答を表示、管理する」によると、フォームの「回答」の画面にあるメニューから、「新しい回答についてのメール通知を受け取る」を選んで設定します。

この設定は、操作した人のアカウントで行うものです。Lステップ公式ブログの記事も、通知はフォームの作成者のアカウント宛に届く、と書いています。つまり、作った社員だけが通知を受け取っていて、他の人は誰も設定していない、ということが起こります。その社員が辞めれば、問い合わせが来ても誰も気づきません。

やることは2つです。

  1. 問い合わせを受ける担当者が、それぞれ自分のアカウントで通知の設定をする
  2. 作り直すなら、通知を受ける人を最初から2人以上にする

通知が届いているかは、実際に自分でフォームから送ってみるのが一番確実です。問い合わせへの返事の速さを測るときも、ここが出発点になります(問い合わせに何時間で返せているか、ツールなしで測る手順)。

問い合わせの件数は、スプレッドシートで数える

3つ目は数え方です。

会社サイトにGoogleアナリティクスを入れていても、Googleフォームの送信は、そのままでは問い合わせとして数えにくい。理由は単純で、フォームの画面と送信後の画面は、自社のサイトではなくGoogleのページだからです。自社サイトに入れた計測のタグは、そこでは動きません。サイトに埋め込んでいても同じです。

だから、件数は回答のスプレッドシートの行で数えます。フォームの回答をスプレッドシートに連携しておけば、送信のたびに1行ずつ増えていきます。月に1回、行の数と日付を見れば、何件来たかは分かります。

その中には、営業のメールや、いたずらの送信も混ざります。数えるときは「問い合わせ」「営業」「その他」の列を1つ足して、毎月仕分けてください。問い合わせを件数で数える考え方は、ホームページから何件来ているか、自社で数えられるようにするにまとめました。

当社が運営する店舗向けのサイトでは、Googleフォームは使わず、サイトの中のフォームから会社の台帳へ送る形にしています。送信の完了を知らせるページを自社サイトの中に置き、件数を自社の計測で数えるためです。

使い続けてよい条件、作り直す条件

両方を並べて「状況に応じて」とは書きません。当社の判断はこうです。

使い続けてよいのは、次の3つがそろっている場合です。

  • フォームのオーナーが、会社のアカウント(できれば共有のアドレス)になっている
  • 通知を受ける人が2人以上いる
  • 毎月、スプレッドシートで件数を数えている

作り直すべきなのは、次のどれかに当てはまる場合です。

  • オーナーが社員の個人のGmail
  • 作った人以外、誰も編集画面に入れない
  • 問い合わせが来ているかどうか、誰も答えられない

作り直すとき、Googleフォームにこだわる必要はありません。会社のサイトの中にフォームを置けば、見た目もそろい、件数も自社の計測で数えられます。ただし、その場合もフォームの通知先と迷惑な送信への対策は同じように要ります。迷惑な送信への対策の注意点は問い合わせが減ったと思ったら、フォームのreCAPTCHAを確かめるに書きました。

この記事の手順で防げないこともあります。Googleフォームそのものの仕様は、Googleの都合で変わります。2026年9月には、1つのフォームで受け取れる回答数に上限ができました(atsohoの記事によると50万件。問い合わせの用途では届かない数です)。こうした変更は、会社の側では止められません。

当社のSEO・問い合わせ改善では、問い合わせの経路と数え方を現状の調査から整えます。範囲はSEO・問い合わせ改善に載せています。

しがビズへ無料相談する

ご相談のときは、会社名とサイトのURL、今のフォームを誰が作ったかを教えてください。

まとめ

今日やることは1つです。問い合わせのGoogleフォームの編集画面を開き、右上のアカウントが会社のものか、社員の個人のGmailかを見てください。

個人のGmailだったら、その社員がいるうちに、会社のアカウントで作り直します。

この記事を書いた人

しがビズ(株式会社トリプルエッグ)

滋賀県の中小企業向けに、会社サイトの作り直しと、生成AIの業務導入を行っています。

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