制作会社から「滋賀+加工で検索上位を取りましょう」と提案を受けた。新規の引き合いは欲しいが、広告費はかけたくない。受発注のマッチングサイトも気になるが、どれに登録すべきか分からない。 先に、費用ゼロでできることがあります。 公的機関が運営している受発注の名簿に登録することです。滋賀県にも国にもあり、どちらも登録料があっせん手数料も無料です。 この記事では、滋賀の登録先と、登録フォームの4つの欄で何が決まるかを書きます。比較記事は「どのサイトに登録するか」までしか書きませんが、効くのは欄の中身です。申込書を書く時間は1時間、下調べに半日です。

「滋賀+加工」で上位を狙う前に、無料で載れる名簿がある

地域名での検索対策は、やって損はありません。ただし順番として後ろです。

滋賀県産業支援プラザの名簿は、登録もあっせん手数料も無料

公益財団法人 滋賀県産業支援プラザが「滋賀 ものづくり企業 受発注 マッチングサイト」を運営しています。

条件と費用は、サイトにこう書かれています。「登録できる企業は、現在製造業(土木・建設業は除く)を営む事業所です。登録費用、あっせん手数料などの経費は、すべて無料です。」

成約時の手数料もありません。 申込は所定の用紙に記入・捺印して、プラザの販路開拓課(077-511-1413)へ提出します。紙の手続きです。

登録すると受注登録企業名簿に載ります。この名簿はWebの検索機能とPDFの両方で公開されていて、現在500社を超える企業が入っています。表示される項目は、企業名、登録番号、所在地、資本金、従業員数、主要製品、加工内容、業種です。

国にも同じ仕組みがあります。中小機構が運営するJ-GoodTech(ジェグテック)で、こちらも登録は無料、成功報酬もありません。両方に出して構いません。 排他ではないので、どちらかを選ぶ話ではありません。

発注側は、地域名では探していない

地域名SEOの優先度を下げる理由を書きます。

MONOistが開発設計者4人に取材した記事では、発注先を探すときに使う言葉は材料名・加工法・部品名で、設備名や地域名で検索することは少ないと答えています。サイトで最初に見るのは実績でした。重視されないものとして挙がったのが、ISO認証、企業規模、所在地です。

4人の取材なので割合としては扱えません。それでも、「滋賀+加工」で上位を取ることが新規開拓の最短路だという前提は、無条件には成り立たない。

一方で、名簿の方は発注側が地域と業種で絞り込む前提で作られています。 探す側が所在地を条件に使う場面は、こちらに集まっています。

登録フォームの4欄で、載るか埋もれるかが決まる

ここからが本題です。比較記事が書かない部分です。

名簿は絞り込み検索ができます。つまり欄の書き方が、検索に引っかかるかどうかを決めています。 申込用紙を埋めるときに、ここを雑にすると載っても出てきません。

主要製品 ── 自社の呼び方ではなく、発注側の呼び方で書く

社内の呼び名をそのまま書く会社が多い。「◯◯ユニット」「△△アッセン」。社内では通じますが、探す側は使いません。

発注側が打つのは、材料名と部品名です。「ステンレス製 配管継手」「アルミ筐体」のように、材質と一般名で書いてください。 社内の呼び名を併記したいなら括弧で添える程度にします。

迷ったら、名簿の検索画面で自社と同じ業種の登録を5社読んでください。発注側の語彙がそこに並んでいます。

加工内容 ── 工程名と、対応できる寸法を数字で

ここに「一般加工」「各種加工承ります」と書くと、絞り込みから外れます。

書くのは工程名と数字です。旋盤、フライス、レーザー切断、曲げ、溶接、研磨。そして最大加工寸法、対応板厚、達成できる公差、対応ロットの下限と上限。

数字を書くと、合わない引き合いが減ります。見積に使う時間が減るので、これは利益になります。この考え方はBtoBの会社サイトに書くのは、強みではなく対応範囲の数字にまとめました。

書いてよい範囲の線引きは別の話になります。加工条件や客先図面は出しません。判断の分け方は加工技術をサイトにどこまで書くかに書きました。

従業員数と資本金 ── 絞り込みの条件として使われている

この2つを小さく書きたくなる気持ちは分かります。規模で負けると思うからです。

正確に書いてください。 名簿の検索は資本金と従業員数で絞り込めるようになっています。範囲で指定されるので、過少に書くと、本来入るはずの検索結果から外れます。

逆に、小規模であることが条件になる案件もあります。小ロット、試作、短納期。大手に出すと受けてもらえない仕事が、ここに来ます。

自由記述 ── サイトの会社概要を貼らない

ここが一番やってはいけないところです。

当社が見た例では、自由記述欄に自社サイトの会社概要の文章がそのまま貼られていました。 「お客様第一をモットーに、高品質な製品を提供しております」で始まる文章です。

発注側が探している加工名が、1語も入っていませんでした。

自由記述に書くのは3つです。

  • 直近で受けた仕事の内容(社名は出さず、材質・形状・ロット・納期)
  • 受けられない条件(対応できない材質、入らない寸法、受けない最小ロット)
  • 設備の中で、同業と違うもの(1台しか無い機械、特殊な治具ではなく機械の方)

2番目を書く会社はほとんどありません。書くと問い合わせの質が上がります。

登録した内容は、検索結果に出る

見落とされがちな点です。

滋賀県産業支援プラザの名簿は、Webの一覧とPDFの両方で公開されています。 PDFの中身も検索エンジンに拾われます。

つまり、登録内容は社内資料ではなく公開文書です。公的機関のドメインは検索で強く出るので、自社サイトより上に表示されることもあります。

これは利点でもあります。自社サイトが古くて検索に出てこない会社でも、名簿経由で見つけてもらえる。実際、当社が会社サイトの再生に入る前に社名で検索して掲載先を洗い出すと、公的な名簿のPDFが上位に出てくることがよくあります。

ただし、裏返すと次の節の問題になります。

登録したまま放置すると、逆に損をする

登録は紙の手続きなので、変更も紙です。面倒なので、誰も直しません。

移転したのに旧住所、代表が交代したのに前の代表、増資したのに古い資本金。これが公的ドメインのPDFとして、検索結果に残り続けます。

与信の場面で効きます。 相手が社名で検索して、自社サイトと名簿で住所が違っていたら、どちらが正しいかを確かめる手間が相手に発生します。ネットに残った古い情報の棚卸し手順は自社サイトを直しても、ネットに残った古い電話番号は消えないにまとめました。

直し方は1つです。登記や代表者に変更があったとき、変更届を出すリストに名簿を加えておく。 法務局、税務署、銀行、取引先、そして名簿。この並びに入れておかないと、確実に忘れます。

登録しても引き合いが来ないとき、見る順番

登録して半年、何も来ない。ここで「マッチングサイトは効かない」と結論を出す前に、3つ見てください。

  1. 自社の登録内容を、名簿の検索画面から自分で探せるか。 業種と地域で絞り込んで、自社が出てくるか。出てこなければ欄の書き方の問題です
  2. 同じ業種で上に並んでいる会社の登録内容を5社読む。 自社に無い語が入っていれば、それが検索されている語です
  3. 名簿から自社サイトに来た人が、何を読むか。 名簿で見つけた相手は、必ず社名で検索してサイトを見ます。実績ページが無いと、そこで止まります

3番目が多い。名簿は入口で、判断は自社サイトでされます。 名簿に登録しただけで自社サイトを放置すると、見つけてもらっても止まります。

それから、登録は成果を約束するものではありません。 当社も保証できません。無料なので、やらない理由が無いというだけです。

まとめ

今日やることは1つです。滋賀県産業支援プラザの受注登録企業名簿を開いて、自社と同じ業種の登録内容を5社読んでください。 検索して読むだけなので、登録していなくてもできます。

読めば、自分の申込書に何を書くかが決まります。空の用紙を前に考えるより早く終わります。

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相談のときは、会社名、サイトのURL、登録を考えている名簿を教えてください。

この記事を書いた人

しがビズ(株式会社トリプルエッグ)

滋賀県の中小企業向けに、会社サイトの作り直しと、生成AIの業務導入を行っています。

運営会社と記事の確認方針 / 公開制作事例と支援の具体例

出典

(登録できる企業の条件、登録費用とあっせん手数料が無料であること、申込方法、販路開拓課の連絡先)

(Web検索とPDFの両方で公開、表示項目、地域・業種・資本金・従業員数での絞り込み)

(登録無料、成功報酬なし)