サーバー会社から「SSL証明書の有効期間短縮に伴うサービス内容変更のご案内」というメールが届いた。会社サイトは8年前に制作会社が作ったもので、証明書のことは誰も分からない。総務の担当者として、何かしないといけないのかを知りたい。 この記事は、会社サイトの証明書を、誰がどうやって更新しているのかを確かめるためのものです。社内で確かめる手順と、契約先に送る確認のメールの文面を書きます。 先に結論を書きます。会社がやることは、更新が自動で行われているかを1回確かめることだけです。自動でなければ、2027年3月からは年4回の手作業になります。止まると、取引先がサイトを開いたときに警告の画面が出ます。
何が変わるのか。2027年3月から、更新は年4回になる
SSL/TLS証明書は、ドメインなどの確認と暗号化通信に使います。HTTPSで接続できても、運営者や掲載内容が信用できることまで保証するものではありません。ブラウザの設定アイコンなどから接続の状態を確認できます。
証明書には有効期間があり、期限が切れると、ブラウザはサイトを開く前に「この接続ではプライバシーが保護されません」といった警告を出します。
証明書の発行元とブラウザの会社でつくる団体(CA/Browser Forum)が2025年4月に決め、有効期間の上限は次のように短くなっています。
| 時期 | 有効期間の上限 | 更新の回数の目安 |
|---|---|---|
| 2026年3月14日まで | 398日 | 年1回 |
| 2026年3月15日から | 200日 | 年2回 |
| 2027年3月15日から | 100日 | 年4回 |
| 2029年3月15日から | 47日 | 年8回以上 |
IT系のニュースは、証明書を何百枚も持つ企業の情報システム部門に向けて、この変化を書いています。IT Leaders(インプレス)の記事は、47日になると更新の作業が8倍以上に増え、手作業での管理は実質不可能になる、という見方を紹介しています。
会社サイトが1つだけの会社にとって、問題はもっと単純です。今、誰が、どうやって更新しているか。 それが自動なら、何も変わりません。
自社サイトの証明書を、ブラウザで確かめる
まず、自社サイトの証明書が、どこから発行され、いつまで有効かを見ます。パソコンのChromeなら次の手順です。
- 会社サイトを開く
- アドレスの左にある印(鍵や設定の印)を押す
- 「この接続は保護されています」を押し、「証明書は有効です」を押す
- 開いた画面で、「発行元」と「有効期間」を見る
有効期間が90日前後や200日以内で、発行元に「Let's Encrypt」や、サーバー会社の名前が入っていれば、サーバーが自動で更新している可能性が高い。有効期間が1年前後で、発行元が有料の証明書の会社なら、誰かが毎年手作業で入れ替えている可能性があります。
これは目安です。 確定させるには、契約先に聞くしかありません。見た内容(発行元と期限の日付)は、メモしておいてください。次の章で使います。
誰が更新しているかで、確かめることが変わる
中小企業の会社サイトは、だいたい次の4つの型のどれかです。
| 型 | よくある状態 | 2027年以降に起きること | 確かめること |
|---|---|---|---|
| ① サーバー会社の無料の証明書 | レンタルサーバーの管理画面で「無料SSL」を有効にしてある | 自動で更新される。何も変わらない | 自動更新が有効になっているか |
| ② サーバー会社の有料オプション | 管理画面で、年契約の証明書を申し込んでいる | 事業者によって、途中の更新は自動・最後は申し込みが要る、などの違いがある | 更新のたびに、こちらの操作が要るか |
| ③ 制作会社が毎年入れている | 保守契約の中で、制作会社が年1回作業している | 年4回の作業になる。保守料金の見直しを言われることがある | 自動に切り替えるか、作業の回数と料金 |
| ④ 誰も分からない | 制作会社と疎遠、サーバーの契約者も不明 | 期限が来た日に警告が出て、そこで初めて気づく | まず契約者を探す |
②は、自動だと思っていて手作業が残る型です。たとえばお名前.comは2026年2月、レンタルサーバーの証明書のオプションについて、1年の契約期間の中で最大199日の証明書を2回発行し、1回目の更新は自動で行うが、2回目の期限では利用者が更新を申し込む必要がある、と案内しています。同じような案内は、他のサーバー会社からも出ています。届いたお知らせのメールは、読まずに消さないでください。 そこに、自社の型でやることが書いてあります。
③は、保守契約に「SSL証明書の更新」が入っているかを契約書で確かめます。入っていれば、年4回になっても制作会社の作業です。料金が変わるかどうかを聞いておきます。
④がいちばん危ない。サーバーやドメインの契約者が、退職した担当者や先代の社長の個人名義になっていることがあります。探し方は社長が代わっても、ドメインとGoogleの権限は先代の名前のまま残ると会社サイトを作り直す前に確認する、ドメインとメールの4項目に書きました。
当社が会社サイトの作り直しの相談を受けたときも、最初に利用中のサーバー、CMS、ドメインの管理状況を確かめます。証明書を誰が更新しているかは、その確認の中の一行です。そこが分からないまま作り直すと、新しいサイトでも同じことが起きます。
契約先に送る確認のメール
型が分からなくても、契約先(サーバー会社か制作会社)にこのメールを送れば足ります。
件名:当社サイトのSSL証明書の更新方法についての確認
本文:
いつもお世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。
当社サイト(https://〜)のSSL証明書について、有効期間の上限が2027年3月から100日に短くなると聞きました。次の3点を教えてください。
- 現在の証明書の更新は、自動で行われていますか。手作業の場合、誰が作業していますか
- 有効期間が短くなったあとも、当社側で必要な操作はありますか
- 更新の回数が増えることで、費用は変わりますか
現在の証明書の発行元は「◯◯」、有効期限は◯年◯月◯日と表示されています。
よろしくお願いいたします。
返事が「自動です。操作は不要です」なら、そこで終わりです。返事が来ない場合は、その相手が今は管理していない可能性があります。④の型として、契約者を探すところから始めてください。
企業認証の証明書を毎年買っているなら
証明書には、ドメインの持ち主であることだけを確かめるもの(無料の証明書の多くはこれ)と、会社の実在まで確かめる「企業認証」や「EV」というものがあります。後者は年に数万円かかることがあり、昔は「信頼の証」として勧められました。
ただ、ブラウザでの見え方は変わっています。Google Chromeは2019年9月の版(Chrome 77)で、EV証明書の会社名をアドレスバーに出すのをやめました。今は、鍵の印を押して詳しい画面を開かないと、どの種類の証明書かは見えません。
会社紹介のサイトで、取引先がそこまで見ることはまずありません。 ネットで代金を受け取るサイトや、会員がログインするサイトでなければ、作り直しや契約の更新を機に、サーバー会社の自動で更新される証明書に替える方が、更新の手間も費用も減ります。
替えるかどうかは、サイトの使い道で決めてください。取引先から、セキュリティの確認として企業認証の証明書を求められている場合は、そちらに合わせます。
しがビズの会社サイトの作り直しには、スマートフォン対応とSSL対応を含めています(1ページの場合、初期30,000円+月額1,900円、税別)。料金の内訳は料金ページにあります。
まとめ
今日やることは1つです。会社サイトを開き、鍵の印から証明書の発行元と有効期限を見て、メモしてください。
それを上のメールに書き込んで、契約先に送る。返事が来れば、自社の型が決まります。
ご相談のときは、会社名、サイトのURL、時間がかかっている業務を書いていただくと、話が早く進みます。
この記事を書いた人
しがビズ(株式会社トリプルエッグ)
滋賀県の中小企業向けに、会社サイトの作り直しと、生成AIの業務導入を行っています。
出典
- CA/Browser Forum「TLS証明書の有効期間の要件」(6.3.2)
- IT Leaders「SSL/TLS証明書の有効期間が2029年に47日へ短縮、証明書管理の自動化が必須に」(2025年10月30日)
- お名前.com「SSL証明書の有効期限短縮に伴うレンタルサーバーSSL証明書オプションサービス内容変更のご案内」(2026年2月25日)
- ロケットボーイズ(SSL証明書の有効期間を47日に短縮する決議についての解説、2025年4月16日)
- 窓の杜「「Google Chrome 77」が正式公開 ~アドレスバーのEV証明書発行元表示は廃止」
