社長から「サイトの問い合わせは、どこから来ているんだ」と聞かれた。答えられないので、フォームに「当社を知ったきっかけ」の欄を足そうとしている。 選択肢を考え始めると手が止まります。SurveyMonkey や Jotform のフォームの作り方の記事は、項目の足し方は教えてくれても、何を選択肢にするかまでは書いていません。「Google検索」「SNS」「紹介」「その他」。どこかで見た並びを写しても、それで社長の質問に答えられるかは分かりません。 この記事では、BtoBの中小企業で答えが使える選択肢の作り方と、必須にしない理由、アナリティクスと数字が合わないときの読み方を書きます。最後に、当社のフォームがこの欄を置いていない理由も書きます。

聞いた答えは、正確ではない。それでも置く理由

先に限界を書きます。フォームで聞いた「きっかけ」は、正確な記録ではありません。

人は最後に触れたものを答えます。3年前に展示会で名刺を交換し、今月になって社名で検索して問い合わせた人は、「Google検索」を選びます。展示会のことは覚えていないか、選択肢に無ければ選べません。

それでも置く価値はあります。Googleアナリティクスに映らない経路を拾えるのは、この欄だけだからです。取引先の紹介、業界団体の名簿、同業者からの口コミ。アクセス解析では、どれも「直接のアクセス」か「Google検索」にまとめられます。

数字としての正確さは求めない。アナリティクスでは見えない種類の答えを拾う欄として作る。この前提で選択肢を決めます。

選択肢は、過去1年の実際の経路から作る

どこかの雛形を写すと、自社に無い経路が並び、自社にある経路が抜けます。

先に、去年の取引の始まりを20件書き出す

営業担当か社長に、去年始まった取引を20件挙げてもらってください。1件ごとに「最初の接点は何だったか」を1行で書きます。

部品加工の会社なら、分類はたとえば「取引先からの紹介」「展示会」「既存の取引先の別部署」「Googleで検索」「業界団体の名簿」のようになるはずです。汎用の雛形に入っている「SNS」「Web広告」「メールマガジン」は、書き出してみると1件も出てこないかもしれません。この20件の分類が、そのまま選択肢の候補になります。

20件を書き出すのに、半日もかかりません。営業日報が無くても、見積書の控えを見れば思い出せます。

「Google検索」は2つに割る

「Google検索」という選択肢は、BtoBでは2種類の人が選びます。

  • 社名で検索した人。 誰かから名前を聞いた、展示会でもらった名刺を見た。きっかけは別にある
  • 加工名や製品名で検索した人。 当社を知らなかった人が、サイトで初めて見つけた

この2つは意味がまったく違います。後者が増えていればサイトが新しい取引先を連れてきていて、前者が増えていれば、別の経路の結果をサイトが受け止めています。選択肢を「Googleで会社名を検索した」「Googleで加工・製品名を検索した」に割ってください。

選択肢は6〜8個。「その他」には記入欄を付ける

選択肢が10個を超えると、全部を読まずに「その他」を選ぶ人が出てきます。回答の一番多いのが「その他」になったら、選択肢が長すぎるか、自社の経路と合っていない合図です。

去年の20件で3件以上あった経路を残し、残りは「その他」にまとめます。「その他」の横には、短い記入欄を置いてください。 半年たって同じ記入が何度も出てきたら、それを選択肢に昇格させます。

必須にしない。1問だけにする

この欄は任意にしてください。

問い合わせの目的は、相手が困っていることを聞くことです。きっかけの質問は、こちらの都合で足す項目です。必須にして、そこで手が止まり送信をやめる人が1人でも出たら、得る情報より失う問い合わせの方が高くつきます。

質問も1問に絞ります。「きっかけ」に続けて「当社のどこを見て問い合わせを決めましたか」と聞きたくなりますが、そこは商談で聞けば済みます。フォームでは、口では聞きにくいことだけを聞く。 紹介者の名前を聞くのも商談の場で十分です。

答えとアナリティクスが食い違ったときの読み方

月に1回、フォームの答えとGoogleアナリティクスの集客の数字を並べると、たいてい合いません。

よくある食い違いは、フォームでは「紹介」が多いのに、アナリティクスでは「Google検索」が多いというものです。これは矛盾ではありません。 紹介で社名を聞いた人が、社名で検索してサイトに来ています。アナリティクスは最後の入り口を数え、フォームは記憶に残った理由を数えています。

読み方は1つに決めておきます。

  • フォームの答え … 取引のきっかけとして社長に報告する数字
  • アナリティクス … サイトの入り口の数字。どのページを直すかの判断に使う

両方を足したり、どちらが正しいかを決めようとしたりしないでください。どちらの数字も、それぞれの問いにしか答えていません。

検索で来た人が実際にどんな言葉で探したかは、Search Console で見られます。社名での検索が何割かも、そこで分かります(SEOツールを買う前に、自社にあるデータでキーワードを決める)。

当社のフォームが「きっかけ」を聞いていない理由

しがビズの問い合わせフォームには、この欄がありません。代わりに、問い合わせる直前に見ていたページを、送信と一緒に自動で記録しています。 入力する人には見えない項目です。

聞かない理由は2つあります。1つは、相談のハードルを1つでも下げたいこと。もう1つは、当社の問い合わせの多くが記事を読んだ人からで、どの記事から来たかの方が、記憶に頼った答えより役に立つからです。

これは当社の事情で、BtoBの製造業にそのまま勧めるものではありません。 紹介と展示会が取引の大半を占める会社では、直前に見ていたページは「会社概要」か「トップページ」になりやすく、きっかけは分かりません。そういう会社こそ、フォームで聞く意味があります。

まとめ

今日やることは1つです。去年始まった取引を20件書き出し、最初の接点を1行ずつ書いてください。

その分類が選択肢になります。フォームを直すのは、そのあとで構いません。件数の数え方そのものはホームページから何件来ているか、自社で数えられるようにするに書きました。

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相談のときは、会社名、サイトのURL、いま問い合わせがどの経路で来ているかの感触を教えてください。

この記事を書いた人

しがビズ(株式会社トリプルエッグ)

滋賀県の中小企業向けに、会社サイトの作り直しと、生成AIの業務導入を行っています。

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