展示会で名刺を渡した相手から、後日こう言われた。「検索したら、同じ名前の東京の会社が出てきて、最初そちらに電話しかけました」。 「◯◯工業」「◯◯製作所」「◯◯電機」。地名や名字に業種を足した社名は、全国に同じ名前の会社があります。社名で検索されたとき、自社より先に別の会社が出ることは珍しくありません。 「同じ名前の会社」で検索して出てくるのは、会社を作るときに同じ商号を登記できるかという法律の話(ソイコ、創業手帳など)がほとんどです。すでに営業している会社が、検索で取り違えられる問題は扱われていません。 この記事では、まず取り違えがどれくらい起きているかを数え、そのうえで検索結果の側と、相手に渡すものの側でできることを書きます。結論を先に書くと、社名だけで1位を取ろうとするより、相手が社名に何を足して検索するかを先回りする方が早い。
まず、どれくらい起きているかを数える
対策の前に、問題の大きさを測ります。2つの確認で足ります。どちらも無料です。
同じ名前の会社が何社あるか
国税庁の法人番号公表サイトで、自社の商号を検索してください。登記されている法人が、所在地つきで一覧に出ます。
同じ名前が1社だけなら、検索で負けている相手はおそらく別の業種の店か、似た名前の会社です。10社を超えるなら、社名だけで検索されて自社が1番目に出ることは期待しない方がいい。
同じ業種で同じ名前の会社があるかも見てください。業種まで同じだと、取り違えた相手がそのまま問い合わせを送ってしまいます。これが一番困る。
社名で検索した人が、自社のサイトを開いているか
Search Console を開き、「検索パフォーマンス」で検索キーワードを自社の社名に絞ります。手順は展示会で名刺を渡した後、相手は社名で検索しているに書きました。
見るのは表示回数とクリック数の比です。社名で検索されて自社のサイトが表示されたのに、開かれていない。比が低いなら、上に出ている別の会社に流れている可能性があります。
あわせて平均掲載順位を見ます。社名で検索されて5位、6位なら、取り違えは起きています。まず間違いありません。
検索結果の側でできること
社名で検索されたとき、自社だと分かる情報を検索結果に出します。3つあります。
トップページのタイトルに、所在地と業種を入れる
検索結果に出る青い見出しは、ページのタイトルです。ここが「株式会社◯◯工業」だけだと、同名の会社と見分けがつきません。
「株式会社◯◯工業|滋賀県湖南市の板金・溶接加工」のように、所在地と業種を足してください。検索した人は、名刺の住所と見比べて自社を選べます。
タイトルの変更は、制作会社に頼めば数分で終わる作業です。費用もほとんどかかりません。自分で更新できる仕組みのサイトなら、設定画面から直せます。
組織の情報を、検索エンジンに機械で読める形で渡す
Googleは、会社の正式名称、所在地、電話番号、ロゴなどを、決まった書式でトップページに書いておく方法を公開しています。「組織の構造化データ」と呼ばれるものです。Googleの説明では、これを入れると、Googleが組織の詳細を把握し、検索結果で組織を明確にできるようになります。
入れても順位が上がるとは限りません。そこは期待しないこと。ただ、同名の会社と取り違えられる余地は減ります。作り直しのときに入れてもらうよう、制作会社に頼んでください。
Googleビジネスプロフィールを整える
社名で検索したとき、右側(スマートフォンでは上)に地図と会社情報が出ることがあります。ここに自社が出ていれば、同名の会社より先に住所と電話番号が見えます。
工場の場合の整え方は工場のGoogleマップを開いているのは、客ではなくドライバーと応募者に書きました。
相手に渡すものの側でできること
ここが、どの対策記事にも書かれていない部分です。
検索させない。 これが一番確実です。 社名で検索される前に、相手の手元に正しいURLがあれば、取り違えは起きません。
- 名刺にURLを入れる。 社名とロゴだけの名刺は、検索してもらう前提になっています
- 見積書と請求書のフッターにURLを入れる
- メールの署名にURLを入れる。 署名にあれば、相手はクリックするだけです
- 展示会のパネルやチラシにQRコードを入れる
当たり前のことですが、自社の名刺を1枚取り出して確かめてください。社員ごとに作り方が違うと、入っている人と入っていない人が混ざります。
もう1つ、相手が社名に何を足して検索するかを考えます。たぶん「◯◯工業 滋賀」か「◯◯工業 湖南」です。この組み合わせで検索して、自社が1番目に出るかを確かめてください。出るなら、社名だけで負けていても実害は小さい。
社名だけで1位を取りにいかない
社名だけで検索されたときに、必ず1番目に出す方法はありません。業者が何と言っても、です。
同じ名前の会社のサイトが古く、規模が大きく、多くのリンクを集めているなら、そちらが上に出ます。ここで張り合うのは割に合いません。
同名の会社に社名を変えてもらうことも、検索結果から外してもらうこともできません。同じ商号の登記は、所在地が違えば認められているからです。
そのうえで、取り違えて問い合わせが届いたら、丁寧に転送先を教えてください。 同じ名前の会社とは、お互い様です。
まとめ
今日やることは1つです。Search Console で、社名で検索されたときの平均掲載順位を見てください。
1位なら、この記事のことは忘れて構いません。2位より下なら、名刺とメールの署名にURLが入っているかを確かめるところから始めます。
相談のときは、会社名、サイトのURL、社名で検索したときに上に出てくる別の会社の名前を教えてください。
この記事を書いた人
しがビズ(株式会社トリプルエッグ)
滋賀県の中小企業向けに、会社サイトの作り直しと、生成AIの業務導入を行っています。
出典
- 国税庁「法人番号公表サイト」(商号・所在地で法人を検索できること)
- Google 検索セントラル「組織(Organization)の構造化データ」(ホームページに組織の構造化データを追加すると、Google が組織の管理情報の詳細を把握し、検索結果で組織を明確化できること)
